真実はいつもブラック『black stories』を紹介します!

このゲームをするのに、場所は必要ありません。重ゲーをするときのように1時間以上の時間も、要らないのです。必要なのは「感性」「コミュニケーション」と、そして自分自身の持つ知識だけ。それだけあれば、『black stories』を遊ぶことができます。
 

会話だけで成り立つ、軽ゲーの中の軽ゲー。
 

あなたは、今から推理を生業とする名探偵です!
 

『black stories』とは?

『black stories』とは、皆でカードに書かれた内容の真相を推理する、パーティ推理ゲームです。名前通り、ブラックなお話の謎を、「YES/NO」で答えられる質問だけで解いていきます。
 

プレイ人数は2人以上なら何人でもOK! 短ければ五分以内に正解が出ることもあり、長くても30分あれば正解が出ます。ただ、ブラックなお話ばかりなので対象年齢は12歳以上。小さいお子さんとは遊べないのが難点です。
 

推理には知識も必要ですから、どのみち大人が楽しむゲームといったところでしょうか。
 

パッケージはどうなってる?

パッケージがもう、黒いですね。ゲームの特徴を良く現しているパッケージであり、ワクワクするパッケージでもあります。パッケージの裏は、こんな感じです。

パッケージの裏には、このゲームの説明が簡単に書かれています。色が黒・赤・白で統一されているところに、こだわりを感じます。

箱を開けてみると、こうなります。

まさか、こう開くとは……! 普通に箱本体と蓋で分かれていると、思ってました。

ルール説明

出題者はリドルマスターと呼ばれます。リドルマスターは、皆にカードを一枚見せて、その内容を読み上げる。そこからゲームはスタートするのです。皆は、リドルマスターに対する質問をしていきます。その質問に内容から情報を得て、整理し、推理していくのです。
 

質問は「YES/NO」で答えられるものでなければなりません。
 

また、リドルマスターは「正解がわからないように意地悪してやろう」とすることはできません。推理に行き詰ったときには、助け舟を出すのも、リドルマスターの仕事です。
 

実際の問題を4つ紹介

このゲームをプレイし終えた私が、特に好きな四つの問題を紹介します。また、そのうちひとつはプレイした際の様子をリプレイとしてお届けするので、お楽しみに! 裏に正解が書かれていますが、これはネタバレ防止のため秘密ということで。


「ガンスリンガー」
女は空っぽのパブに入り、飲み物を注文した。カウンターの向こうにいた男は、彼女を撃ち殺した。


「ズボンを下げたままで」
男はズボンを下げたまま、死んで地面に横たわっていた。


「うしろに」
ジョナサンは一歩うしろにさがった。そして死んだ。


「シンプルな殺人」
ロミオとジュリエットは床に倒れていた。そばには水溜りがあり、割れたガラスが散らばっていた。窓が少しだけ開いていた。

皆に推理してもらった!

「うしろに」を皆に推理してもらいました。私の友人と遊んだときの様子をリプレイとしてお届けしますが、友人の名前はそれぞれ適当に付けています。会話中心のゲームなので会話ばかりとなりますが、少しでもこのゲームの面白さが伝われば幸いです。
 

私「私が、私こそがリドルマスターだ!」
メイ「どしたん」
コン「中二か?」
ジン「酔って変になったか?」
私「重ゲーやる前に、これやろうと思って」
 

~ゲームの説明~
 

コン「なるほど」
メイ「推理かあ、苦手やねんなあ」
ジン「得意分野わろた」
私「じゃあ、改めて。私こそがリドルマス……」
メイ「それはええって」
 

私、カードを見せる。
 

「うしろに」
ジョナサンは一歩うしろにさがった。そして死んだ。それはなぜ?
 
ジン「ジョナサンは道路おった?」
私「道路にはおらんな」
メイ「ウッキウキやん、ジン」
コン「ジョナサンは波紋使い?」
私「んー……それはわからんなあ。使えたら面白いけども」
ジン「奇妙な冒険してそうやな」
私「名前がな」
 

私「まずは、どこにおったかを推理してみよう」
メイ「一歩さがったら死ぬような場所」
ジン「崖?」
私「サスペンスかな? 崖ちゃうで」
コン「追い詰められたパターン?」
私「自白迫られてたとか、何かに追い詰められたとかではない」
メイ「自発的にさがって死んだ?」
私「そうそう」
 

ジン「場所かあ。ビルとか?
私「イエス。高層ビルの上のほう」
メイ「なんで、さがったんや?」
私「それを推理するんやで。ひとつ言えるとしたら、間抜けな理由や」
コン「そもそも何してたんやろ」
メイ「観光?」
私「ではない」
ジン「仕事か」
私「そうそう。高層ビルの上のほうで絶賛仕事中」
 

メイ「ビルで仕事……閃いた!」
コン「天啓かな?」
メイ「あれか? 窓拭いたりする仕事あるやん?
私「ジョナサンは、窓を拭いていました」
ジン「確かに、さがったら死ぬわな」
私「さあ、あとは理由だけやで」
 

コン「下に何かがあった?」
私「んー……一応NO。何かではなく、誰かや」
ジン「状況を忘れてしまうほどの誰か」
メイ「……! 彼女か
私「イエス! 彼女!」
メイ「呼ばれてさがった?」
私「それは違うよ!」
ジン「仕事終えたら会う予定だったとか?」
私「それやで」
 

メイ「早く行きたくて忘れてたとか?」
私「違うな。もっと間抜け。恋人に会う前に何をする?」
メイ「メイクとかチェック……もしかして?」
コン「あ」
ジン「あ」
メイ「磨いた窓で、身だしなみのチェックか
私「正解」
 


ジョナサンは高層ビルの最上階付近で、窓拭きをしていた。仕事を終える前に、ビルの鏡のような窓で髪を整えた。下で新しいガールフレンドが待っていたからだ。最後にジョナサンは全身の着こなしをチェックしようとして、うしろに最後の一歩を踏み出した。
 

まとめ

結局、推理が苦手と言っていたメイが、女の直感を利用して大活躍していました。推理が苦手でも得意でも、お題によっては活躍できる機会があるというのも、このゲームの面白いところです。私がこのゲームを「推理する側」でプレイしていた際も、私の変なマニア知識が役立ったりしました。
 

誰の何が役に立つかわからないところが、このゲームの醍醐味。
 

合コンなどの初対面の人が集まる場所でこのゲームを出せば、相手の性格や考え・知識分野まではかれるかもしれませんよ。隙あらば『black stories』これを広めていきたいです。

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